藤本ひとみの「シャネル」あらすじ、感想
ココ・シャネルの物語
ファッションが好きな人はもちろん。興味がなくても、知らない人はいないであろうシャネル。
女性の憧れを作った女性の生涯とは。
ココ・シャネルの恋と起業の物語。
あらすじ
貧しい家庭で育ったガブリエル・シャネル(ココ・シャネル)は、母が病死し、父に修道院へ連れていかれた。
そこでガブリエルは姉と共に孤児として育つ。
権力者の娘からの嫌がらせ、理不尽で差別的な大人たち。
ガブリエルにとって修道院は耐え難い苦痛の日々だった。
姉が18歳になり修道院を出るのを機に、ガブリエルも出ることに決める。
その後は洋品店でお針子、酒場の歌手、裕福な青年の愛人、帽子デザイナー。
ステップアップするガブリエルが持つ、他の人にはない才能とは何か。
常に挑戦し続けるガブリエルがファッション界の女王となるまでの、波乱万丈の軌跡とは。
感想
私は正直にいうと、今まで女性より男性の書いた本の方が好きでした。
でも今回この「シャネル」を読んで、久しぶりに女性作家(藤本ひとみさん)の本をすごく面白いと思いました。
まず文章が読みやすいです。
淡々と進む文章が読んでいてストレスなく、気持ちよく進みます。
余計な文がなく内容が分かりやすい。でも必要な「余白」はちゃんとある。そういう気持ち良さがある本でした。
淡々と進む物語の中には、シャネルが人生を進めるうちに獲得する格言のような言葉がいくつも出てきて引き込まれます。
読んでいるうちに、自分もまだ人生これから何かできるのではないか!と思えてくるほど。
シャネルの考えや言葉、性格は独特で強いものですが(特に子供時代)、周りをうなずかせる魅力があります。それとも魔力だろうか…
そんなガブリエルでも唯一弱みをみせるところが「恋」でした。
自分に豪華な生活を与えてくれる恋人。自分のやりたいことを援助してくれる恋人。
恋人との出会いと別れを経験し、それでも次々と斬新なビジネスを思いつくガブリエル。
新しい時代に合わせた新しい発想、ひとつのビジネスから紐づけて展開する才能。
失恋や戦争、親しい人の死。
いろんな人生の苦楽を味わい、老いてもなお、諦めず挑戦する姿勢には感服しかありません。
ガブリエルがいっていた「女性が本当に女になって服がわかるのは40代から」という言葉は、大人の女性へのエールだと思いました。
「シャネルは流行じゃない。流行なんてものではなく、永遠にすたれることのないのがシャネルスタイル」
そのガブリエル・シャネル(ココ・シャネル)の言葉は、今でもずっと女性の憧れのままであることが証明しているのではないでしょうか。
この本は、シャネルと親しかった人物への取材により、知られざるエピソードが盛り込まれたそうです。
本の中には誰もが知る今は亡き有名人たちの名前(ピカソ、ジャンコクトーなど他にもたくさん!)が出てきて、そこも面白かったです。
戦争にまつわるエピソードもスケールが大きいです。さすがシャネル。
たくさんの名言があり、自分のために何度も読み返したくなる1冊でした。
面白かったです!
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