「論語」を読んで

孔子の言葉

岩波文庫版の「論語(訳注:金谷治)」を、1か月ほどかけて毎日少しずつ読みました。

普段の読書は1冊読み終わったら次の1冊へと進むのですが、論語は他の本と並行して読んでいました。

勉強本のような感覚の本だと思います。

何歳からでも遅くはない、生きていくための勉強。

読みたいと思ったときがその人にとって必要なときなのかもしれません。

何歳でも、どんな状況でも、どんな立場でも、欲しい言葉や学びが見つかるはず。

例えば人の上へ立つ人には人徳を得る心得が。

働く人には目指すものが。

迷走中の学生さんには学問の大切さが。

家族をフォローしている主婦には正しいことを人に求める難しさが。

そんな風に誰もが受け取れる言葉があると思います。

そして再読すればその度に、必要な言葉は変わってくるのはないでしょうか。

新しい気づきがあり、新しい答えやヒントが見つかる。

そんな本、今まで読んだことあったかな。

何度も繰り返し読みたい教科書のようでした。

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息子が通っていた幼稚園では、朝の習慣で口をそろえて論語を皆で読んでいました。

別に仏教でもなんでもない普通の(ややお勉強系の)幼稚園ですが。

その本は息子が中学生になった今でも捨てずにとってあります。

息子に「困ったことに遭遇したら開いてみるといい」と言って、他の教科書類は捨ててしまったけれど論語だけは残しておきました。

息子の持っている本の方が字が大きくて簡略化されていて読みやすいけれど、今回読んだ本のような原文と訳と両方読める本で良かったところは、同じことを2度読むことでより心に残りやすいところだと思います。

原文は意味不明でもいいのです。

 

私は今40代で、孔子が言うところの「四十にして惑わず」の年齢なのですが、まだやや迷走中です。

定まった自信があるのかないのかも言えません。

孔子は「十五で学問を志し、三十で独立した立場を持ち、四十であれこれ迷わず、五十で天命をわきまえ、六十で人のことばが素直に聞かれ、七十で思うままにふるまっても道がはずれないようになった」と言っています。

ふむふむ。

とりあえずの目標は見えたような気がします。

今はそれでよしとしよう。

 

読んで感じたどの項目でも共通していることは「素直でズルをせず謙虚であれ」ということ。

特に年齢が上がったり上の立場になった場合は謙虚さと質素な暮らしを大切にするよう何度も語られています。

身内びいきをしないことも。

学びの大切さ(学ばないと自分の位置も知識の使い方も分からない)についても度々出てきます。

私は、弟子が孔子にたずねる言葉で多かった「仁」という言葉が心に残りました。

「仁徳(人間の自然な愛情にもとづいたまごころの徳)」

よい人間になれるよう、人が見ていないときでもよい人間になれるよう、日々心掛けようと思います。

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余談ですが、先月息子がコロナになったときに、論語を息子に朗読しました。

すぐに熱が下がり元気なったけれど、寝ているしかなくて暇でしょうがないというので、ちょっと面白半分で声に出して読んでみました。

まず原文を読み、次に意味を読む。

すると途中から意味を読む前に「ちょっと待って!」と言って息子が原文の解釈を自分で始めたのです。

「正解!」「おおむね正解」「不正解!!」

それがクイズのようになって(たった二人の論語クイズ大会)面白がり、遊びのように結構読めていい暇つぶし(失礼な!)にもなりました。

 

色んな学び方や楽しみ方ができる論語。

何度も読む本として、寝室の本棚ではなくリビングの本棚へしまいました。

読み終わって気分がスッキリ。

再会できる日を楽しみにしています。

 

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