ミステリー短編集「野球が好きすぎて」著者:東川篤哉 あらすじ・感想

野球界の出来事を背景にした5話の短編ミステリー

本の中には実際に活躍する(していた)野球選手の名前がたくさん出てきます。

今をときめく大谷翔平選手やイチローなど、野球に詳しくない人でも知っているメジャーな選手の名前や、あまりメジャーではない選手の名前まで色々出てきますが、もちろん彼らが事件を起こすわけではありません。

野球に詳しい人はもちろん、詳しくない人でも楽しめる、笑える、新ジャンル?のユーモアミステリーです。

 

著者の東川篤哉さんは1968年生まれ。広島出身。広島カープファンです。

「謎解きはディナーのあとで」で本屋大賞を受賞しました。

<あらすじ>

実際に起きた野球界の出来事を背景に、事件が起きるミステリー。

犯人は実際にあった野球界の出来事にヒントを得て、犯行やアリバイを作り出す。

そんな犯人を追い詰めるのは、ヤクルトスワローズファンの警察官、神宮寺勝男とその娘のつばめ、そしてベースボールバーの常連客、謎のカープファン女子。

野球ファンが、野球絡みの事件に挑む、5つの物語。

第1話は「2016年 カープレッドより真っ赤な嘘」。

第2話は「2017年 200本安打のアリバイ」。

第3話は「2018年 タイガースが好きすぎて」。

第4話は「2019年 パットン見立て殺人」。

第5話は「2020年 千葉マリンは燃えているか」。

<感想>

野球バカ(失礼)とはこんなに面白おかしい人たちなのでしょうか。

私は何度か球場に試合を見に行ったことがある程度のにわかファンです。特にこの球団が好き!とか、この選手が好き!とか、熱い野球ファンではありませんが、とても面白おかしく読めました。

ミステリーなのに笑ってしまうなんて。困ったミステリーですねえ。

野球談議に花が咲き、どんどん推理からずれていくのもご愛敬。

章のタイトルになっている年に実際起きた、野球界の出来事を軸に物語は進むので、野球好きにはたまらないと思います。

野球はまあまあ興味がある程度の人でも、まったく興味のない人でも、何かすごく好きなものがある人にはこの面白さが共感できるはず。

ハマるものがあるっていいですね。

 

この本もそうですが、2020年以降に書かれた本は、コロナの影響で変わった日常の様子に触れている本が多いような気がします。

世相を表した本は、記録としても価値があるのかもしれないなーと、ふと思いました。

リアルタイムな感情は、落ち着いた後に振り返ってみて思う感情と違うかもしれないですね。

 

<こんな人におすすめ>

  • 本を読んで笑いたい人
  • 暗いミステリーが苦手な人
  • 野球が好きすぎる人
  • さらっと楽しく読める本を探している人

 

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野球が好きすぎて [ 東川 篤哉 ]

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