「架空犯」あらすじ、感想

「架空犯」東野圭吾ミステリ

東野圭吾さんのミステリ小説「架空犯」。

こういう王道のミステリが読みたかった!

あらすじ

都内の高級住宅地で起こった放火事件。現場からは夫婦の遺体が発見された。

夫は都議会議員。妻は元女優。

警察は無理心中を装った殺人事件と断定し捜査を進める。

捜査が難航する中、夫婦の非人道的行為に関する証拠品を買い取るよう脅迫状が届く。

華やかに見えた夫婦の過去に隠された秘密とは。

感想

高級住宅街で起きた放火殺人事件。

警察の上層部と捜査員の動き。目的が明快ではない脅迫状。浮かび出てきた意外な犯人候補。

警察と犯人らしき人物との間に続く心理戦。

次第に見えてくる被害者の過去。

王道のミステリはやっぱり面白いですね。

続きが気になってスイスイ読めました。

事件を解決に導く優秀な刑事がいて、罪につながる悲しい過去があって。

法律では裁けない罪が重なると、いつか本当の罪へとつながってしまうこともある。

一見突発的に起きたアクシデントも、実はその芽が育っていることを知りつつ見ぬふりをしていた結果なんだろうなと思いました。

どこまでさかのぼればこの事件は起きなかったのだろう…

犯罪が起きる条件てなんだろう。

同じ状況でも事件を起こす人と起こさない人がいて、その違いは性格や人間性だけなのでしょうか。

他人に影響されすぎたり、または影響を与えすぎてしまうことは問題だけど、そうやって本気で人と関わっていると時々感動するほど素晴らしいこともあるし。

自分と他の人との間にある距離や壁の種類、厚みは、人の数だけ種類があり人間関係の難しい課題だと思います。

いいことも悪いことも、今判断できることばかりじゃない。

結果が今すぐに見えることばかりじゃない。

でも想像することならできます。

こうしたら傷つく人がいる、こうしたら救われる人がいる。

少し自分以外の人の気持ちを想像して行動していたら違う未来があったんだろうなあ…と読み終わって思いました。

冷静さと正しい判断。

とても欲しいふたつです。

 

東野ミステリ、面白かったです。

 

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感想(14件)

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