「腐芯」朝野にわ あらすじと感想

ミステリー小説
おかしな天気のせいか、あっという間に夏が終わり秋が来たように感じる今日この頃。
秋と言えば読書の秋。
普段は食欲の秋ですが。
この秋の読書第1号は、朝野にわさんのミステリー小説「腐芯」。
テレビの刑事ドラマが好きな方にお勧めの一冊です。
あらすじ
空き家で高齢男性の遺体が発見された。
通報を受けてかけつけた捜査一課の竜胆(りんどう)は、現場に入り、すぐにおかしな点に気づく。
遺体は一見して外傷はなく熱中症が疑われるが、真夏の空き家に数日間放置されていたにもかかわらず腐敗していない。
なぜ老人は空き家で発見されたのか。
なぜ死後腐っていなかったのか。
老人の関係者を当たるうちに浮かび上がる心の闇。
もっとも心を腐らせていたものは誰か。
感想
AIによると「腐心」とは「ある物事をうまくやろうとして心を悩ませ続けること」だそうです。
この本のタイトルは漢字が「腐芯」。
「心」と「芯」。
同じようで同じではないこの言葉。
このタイトルが物語の始まりであり、終わりでもありました。
この物語の核になる部分。
意味が分かるとちょっとホラーです。
腐らない遺体の原因は読み始めてすぐに判明しますが、なぜ、誰がそうしたのか、というところに見当がついてくるあたりから物語が面白くなってきました。
芯が腐らない遺体が教えてくれたのは、心が腐っている生きた人間。
でも法律で裁ける罪と裁けない罪があり、心の腐り度合に比例できない罰に、読んでいて悶々としました。
罪と罰が釣り合っていない現実が一番怖いかも。
警察の仕組みや法律などが詳しく書かれているところは本格的。
刑事たちのキャラクターはテレビドラマに出てきそうな感じもします。
こういうキャラはいそうで現実には意外といないけれど、なぜがドラマにはわりといるタイプとか。
設定として用意しやすく、多くの人にパッと理解できるようにするためなのでしょうか。
私はテレビの刑事ドラマが好きなのでそういうところも含めて面白く読めましたが、人によっては浅く感じるところかもしれません。
何はともあれ、ミステリーとして面白いかどうかがカギかと思います。
物語は人間関係が発端になった事件から始まり、そこに社会的な背景がからみ、読み始めたころには想像しなかった結末が待っていました。
この本を読んで得た教訓。
生きているうちに伝えないといけないことがある。
間違った方法で伝えた愛は、恨みとして倍返しされる。
現代社会にはびこる犯罪と、その種類と人の多さに気をつけろ。
法律で裁けない悪意が得をすることもある。
最後が一番怖いですね。
次は何を読もうかな。
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価格:2090円 |
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