箴言集「的を射る言葉」 著者:森博嗣

箴言集「的を射る言葉」 著者:森博嗣

森博嗣といえばドラマにもなった小説「すべてがFになる」が有名な作家さんです。作家さんですが、工学博士で大学教授でもありました。小説は大学が舞台のミステリーが多く、キャラが濃くてゆかいな人がたくさん出てきます。

シリーズものは最初の1冊を読んだらもう最後の1冊まで読むしかなくなります(そのくらいはまる)。

他にもたくさん(本当にたくさん!)のとても面白いミステリー小説がありますが、今回は敢えて箴言集を紹介したいと思います。

<内容>

この本は、森博嗣がホームページで公開していた日記の冒頭の一言を集めた本です。

たくさんのグッとくる格言、名言が詰め込まれた1冊になっています。例えば、

「さあ、仕事だ仕事だ!という人は、遊んでいた人」

「最も期待値の大きいギャンブルは、勉強である(その次は仕事)」

「他人を苛めたがる人を見れば、人間が自分を見失った状態が観察できる」

「自分のことを褒めてくれる人の意見を聞き流すことが、度量である」

才能があってもトップに立てない人はいるが、勤勉なのにどん底のひとはいない」

などの言葉があります。

<感想>

何歳になって何度読み返しても、戒めになる言葉が響きます。

面白くないページは1ページもありません。

どちらかというとグサッとくる、とがったナイフのような厳しい言葉の数々ですが、読んで納得。

森博嗣はあとがきで、本のタイトルを「切れる言葉」にしたかったといっていますが、その通りの本です。

誰かと個人的に会話するとき(メールやラインでも)、優しい言葉を掛け合うことはよくあります。

でも厳しいことを言い合うことってあまりないですよね。

自分を甘やかす環境はあるけれど、戒めてくれる環境を探すのは難しいものです。

癒してくれる人がいることは慰めになるし、生きる楽しみにもなりますが、その環境にあぐらをかくだけでいいのかな?と思うこともあります。

自分を戒めることができるのは自分だけかもしれません。

厳しいことを敢えて取り込むことで、より快適に前向きになれるような気がするのです。

この本に書かれている森博嗣の言葉は、そういう意味で優しいナイフかもしれません。

厳しい言葉を読んで反省したり、うわっと思う反面、なぜか読み終わった後には爽快感が残ります。

そういう珍しい1冊です。

 

的を射る言葉 Gathering the Pointed Wits【電子書籍】[ 森博嗣 ]

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