籠城ミステリ小説「ホワイトラビット」あらすじ・感想

伊坂幸太郎「ホワイトラビット」

最近ハリウッド映画で話題の伊坂幸太郎さん。

ハリウッドで映画化された「ブレット・トレイン(小説タイトルはマリアビートル)」では、あのブラピが主役に!

「マリアビートル」は新幹線の中で事件が起きますが、「ホワイトラビット」は民家の中で事件が起きます。

伊坂ワールドが楽しめる、ハラハラドキドキの爽快ミステリ。

期待を裏切らない1冊です。

 

<あらすじ>

誘拐ビジネス組織の末端にいた兎田は、ある日組織のボスに自分の妻を誘拐されてしまう。

ボスの要求は、組織の金を持ち逃げした折尾を探し、連れてくることだった。

折尾と引き換えに妻を開放するという約束を信じ、兎田は折尾探しに奔走する。

警察に助けを求めることができない兎田は、自力でたどり着いた折尾がいると思われる民家で籠城事件を起こしてしまう。

しかもその様子はテレビで中継されている。

世間の注目を集め、組織のボスも見守る中、兎田はどうやって籠城しながら解決するつもりなのか。

籠城する民家にいた人々は何者なのか。そこで起きていた出来事とは…

 

<感想>

このあらすじを読むと、ただの物騒な話しにしか思えないかもしれませんが、もちろんそうではありません。

籠城事件だの誘拐事件だの、出来事は一見シリアスですが、登場人物たちは意外と飄々としています。

のんきで明るい会話もあれば、夫婦愛、親子愛などもあり、登場人物ごとに色々な人生模様が見えてきます。

人に言えない悩みをかかえ、そろそろ立ち向かわなくてはいけない人たち。

小説「レ・ミゼラブル」になぞられて語られたり、星座(オリオン座)の話しとからみあったりしながら、時を行きつ戻りつストーリーは進みます。

そして最後の方になると「何これ!????」とびっくり仰天!!

出たー!伊坂ワールド!これだからまた読みたくなるのだ!!という展開が待っています。

パズルのピースがすべてはまる瞬間が訪れます。

最後の最後まで(この人物の後日談もあるの!?と)面白い、伊坂幸太郎さんの籠城ミステリでした。

 

伊坂幸太郎ファンにはお馴染みの登場人物「黒澤」が出てきた段階で、面白くなるだろうと予想。

その期待を裏切らない結末。

さすが伊坂さん!!

 

読み終わった後はアクション映画を見たような爽快感でした。

面白かったです!

 

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感想(8件)

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