小説「白バイガール フルスロットル」著者:佐藤青南

「白バイガール」シリーズ完結編。あらすじと感想

青春ミステリーシリーズ、「白バイガール」6作目の完結編「フルスロットル」。

可愛くて強い、白バイガールが大活躍するミステリー小説です。

 

著者の佐藤青南さんは、1975年、長崎生まれ。

「ある少女にまつわる殺人の告白」で、このミステリーがすごい!大賞優秀賞を受賞しデビュー。

「白バイガール」で第2回神奈川本大賞を受賞。

<あらすじ>

神奈川県の白バイ隊員、本田木乃美は、白バイ競技大会への出場が決まる。

木乃美がその大会の先に目指すのは箱根駅伝先導。

全国から集まった選りすぐりの白バイガールと共に、仲間意識、ライバル意識の両方を持って練習に励んでいた。

ところが、その白バイ仲間の優勝候補が二人も続けて同じような交通事故にあい負傷。

これは本当に事故なのか、それとも事件なのか、白バイガールたちは密かに捜査を始める。

 

同じころ、横浜では銃撃事件が発生。

木乃美の同僚、川崎潤は捜査をする中、暴力団「椿山組」とコリアンマフィア「凶龍(クレイジードラゴン)」の抗争が関係しているところへたどり着く。

ふたつの組織の抗争が行き着く先は。

 

<感想>

実は、このシリーズを読むのは初めてです。完結編のみ読んだことになります。

それぞれのキャラクターがたっているので、シリーズを通して読んだらもっと楽しめたかもしれませんが、この1冊だけでも十分楽しんで読めました。

登場人物はちょっとクセのある人たちばかりですが、みんな根がいい。人がいいと、そのクセさえも魅力のひとつになりますね。

ミステリーなのに、人を疑うことなく、信じながら安心して読める本でした。

白バイガールたちが優勝を目指す白バイ競技大会の様子や、木乃美と潤、それぞれ違う性格がもたらす事件の動き、成長の様子が良かったです。

女子とは思えない身体を張った行動は、読むだけでちょっと勇気をもらえます。

最後の方の、爽やかですがすがしい白バイガールたちの会話、やり取りが、この本の性格の良さを表している気がしました。

 

そして、物語が読み終わった後、著者の「シリーズ完結によせて」というあとがきにぐっときました。

「最後に」から始まる本当に最後の数行に、ホロリときました。

 

<こんな人におすすめ>

  • バイクが好きな人
  • 女の友情ものが好きな人
  • ミステリー好きの人
  • 暗くないミステリーが読みたい人

 

 

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