秋の夜長に読みたい恋の短編集

村上春樹の「恋しくて」

村上春樹さんが選び編訳した、海外作家のラブストーリー短編集「恋しくて」。

様々な国の作家が書いた9話の短編と、村上春樹さんが書いた1話、合わせて10話のラブストーリーが収録された1冊です。

それぞれの話の最後には、村上春樹さんの感想と恋愛甘苦度バロメーターがついています。そこも面白い!

 

どんな10話か簡単にいうと、素敵な青い恋、ほろ苦い恋、三角関係、幸せの渦中で感じる不安な恋、時代(戦争やスペイン風邪)を反映した生涯の恋、瞬殺不倫、屈折した恋、同性愛、大人の恋。これで9話。

そして最後が村上春樹さんの「恋するザムザ」。

本好きの方は「ザムザ」と聞くとピンとくるかもしれませんね。

そう、カフカの「変身」の主人公、ザムザです。

もうこのタイトルだけでワクワクします。

ザムザが恋をする?どんな風に?相手はどんな子?

カフカの「変身」が元ネタのラブストーリー、楽しく読ませていただきました。

 

大人になると実生活で恋をすることが少なくなると思います。

状況(既婚)によっては、してはいけないことになる。

それでも恋をしたいのが人間なのか、読んでいて楽しかったです。ワクワクしました。

心の自然な動きに対し、素直に、または不自然に行動するそれぞれの登場人物に魅了されました。

実生活で恋ができなくても、映画やドラマを見たり、本を読んだり、人によっては推し活したり、なんとか健全な方法で満足できたらそれに越したことはないですよね。

本のいいところは、想像で経験できることかもしれません。

自分の道徳心や倫理観に背くことなく手軽に恋が楽しめるなんて、ちょっとラッキーではないですか?

 

恋しくて Ten Selected Love Stories [ 村上春樹 ]

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感想(10件)

 


 

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