森博嗣のつぶやき集「つぶやきのクリーム」
「つぶやきのクリーム」著者:森博嗣
作家で工学博士でもある森博嗣さんが綴った、人生の教訓のようなものを集めた1冊。
森博嗣さんの言葉で言うなら「つぶやき集」。
つぶやきにしては立派過ぎます。面白く魅力的で、素通りできない内容です。
他者(家族、友人、職場の人など)との関係について、距離感や接し方、読んだそのときから参考になります。
問題はその後。覚えていて持続すること、試し続けることが容易ではない。
森博嗣さんも本の中で言っていますが、空手の瓦割りのように、受ける側の土壌がしっかりしていないと、力(有益なアドバイスなど)を受け止められない、活かせない、ということなのでしょうね。
この本の中にはたくさんの教訓が詰まっています。
生きるための心構え、仕事の成功法、トラブルに備えること、人の矛盾、できる人とできない人の違い…色々詰まっています。
100個のつぶやきが、短文の紹介付きで、ときには皮肉まじりに面白く書かれています。
その100個のつぶやき(タイトル)を読むだけで笑っちゃうものもありました。
最高にユニークで賢い、そして何より芯が強い方なのだろうな、と思います。
読みながら「こういうことは避けよう」とか、「こういう人間にならないようにしよう」とか、無用なトラブルやストレスを避けるコツのようなものが多く、とても参考になりました。
あとは己の実践あるのみですね。
普段は主に小説を読んでいて、自己啓発本みたいな本は苦手で読まないですが、マルクス・アウレリウスと森博嗣さんは別です。
そういう視点があったのか!と、これまでにない発想がありとても新鮮。
芯が強いということは、我を通すということではなく、むしろ客観的な目を持つことなのだと思いました。